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山のぼりおり
のぼっておりる。その意味。その無意味。
『月と菓子パン』などで注目されるエッセイスト、石田 千による初めての登山エッセイ集。



 さよならさんかく、またきてさんかく。お山は逃げない、またのぼる。
(東北・栗駒山 本文より)

 枯葉、どんぐり、膝たけの幼木とおなじ目の高さで、ゆっくり進む。がむしゃらになっててっぺんをめざしているときや、温泉だビールだと唱えながらおりているときに、見のがし通りすぎている森の香にくるまれる。苔やとかげとおなじような、ゆっくりした息になる。かさをそっとめくり、軸をたしかめる。頂上へと踏みしめる一歩も、横にななめにそうっと動く一歩も、山中の足どりに変わりない。
(青梅・御嶽山 本文より)

 なぜ苦しんで山にのぼるのか。問いに、答えは出ないままだった。歩くあいだにぽんと出るひともいれば、あのとき富士山で。後日そんなふうに、浮かぶこともあるかもしれない。うすい空気といっしょに、身のうちにちいさな哲学の種を飲みこんで、いっしょに連れて帰る。
(富士山 本文より)



十の山。十の話。

『山と溪谷』の連載に書下ろしを加え、写真家・坂本真典のモノクローム作品収録。



石田 千(いしだ・せん)プロフィール
1968年福島生まれ。東京育ち。
國學院大學文学部卒業。
2001年、「大踏切書店のこと」で第一回古本小説大賞受賞。
著書に『月と菓子パン』(新潮文庫)、『踏切趣味』『屋上がえり』(ともに筑摩書房)、『ぽっぺん』(新潮社)、『部屋にて』(角川書店)、『しろい虹』(KKベストセラーズ)がある。
著者: 石田 千  
品種: 書籍  
ページ数: 152  
サイズ: 四六判  
発行: 山と溪谷社  
商品ID: YK171740  
ISBN: 978-4-635-17174-8  
発売日: 2008.03.22発売
販売価格: 1,890円 (税込)

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在庫状況: 在庫あり(潤沢)
■目次・内容
北八ヶ岳・天狗岳

東北・栗駒山

北アルプス・燕岳

信越・苗場山

高尾山稜・景信山

屋久島・宮之浦岳

北海道・大雪山

木曽・御嶽山

富士山

東北・鳥海山
 
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